慢性腎臓病(CKD)

〇慢性腎臓病(CKD)について
慢性腎臓病(CKD)とは、慢性に経過するすべての腎臓病を指します。
国内には約2,000万人(成人5人に1人)いるとされ、新たな国民病ともいわれています。
肥満や高血圧、糖尿病、膠原病なども腎臓病を引き起こします。
慢性腎臓病(CKD)によって腎臓の機能が低下し続けると、人工透析が必要なだけでなく、
心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす危険因子にもなってしまいます。

〇腎臓の働き
腎臓は細い血管が密集していて、血液量が最も多い臓器です。
そこには1分間に約1リットルの血液が流れていて、絶え間なく働いていくれています。
①老廃物の排出する~血液をキレイにする~
腎臓は血液をろ過して老廃物や余分な水分、塩分を尿として体の外へ排出します。
「体に必要なものは残して、いらないもの(老廃物)は捨てる」高度なシステムです。
②血圧を調節する
腎臓は、血圧が高いときは塩分(ナトリウム)と水分(尿)の排出量を増やして血圧を下げ、
血圧が低いときは塩分と水分の排出量を減らして血圧を上げます。
③血液をつくる司令官
赤血球は、腎臓から出るエリスロポエチンというホルモンの刺激を受けて作られます。
そのため腎臓の働きが悪くなると(腎性)貧血になることがあります。
④体液量・ミネラル(ナトリウム・カリウム・カルシウムなど)・pHを調節する
水分が過剰または不足している場合、腎臓は水分の再吸収量を調整します。
腎臓が悪くなると体内に老廃物がたまりやすく、むくみが生じたりします。
⑤強い骨を作る(ビタミンDの活性化)
腎臓は、カルシウムを体内に吸収させるのに必要な活性型ビタミンDを作っています。

〇CKDの症状
慢性腎臓病(CKD)は初期には自覚症状がほとんどありません。
それが、慢性腎臓病の人を増加させている原因と考えます。
夜間尿、むくみ、貧血、倦怠感、息切れなどの症状が自覚されるときは、
放っておくと進行して、透析や腎臓移植を行わなければいけなくなる可能性があります

〇検査
腎機能はいったん低下すると西洋医学では回復が難しいので、早期発見をすすめられます。
尿検査(早期発見)
尿にタンパク質や血液が漏れ出ていないかを検査します。重要です。
ことに、ネフローゼではタンパク尿は1日3.5g以上、血清アルブミンは3.0以下になります。
血液検査(進行度合いの確認)
腎臓の機能を調べるには、血液中の尿素窒素(BUN)とクレアチニン(Cr)を測定します。
重症度の診断は
推算糸球体ろ過量(eGFR)を、年齢、性別、クレアチニンの数値で計算します。
血中尿素窒素(BUN) ー腎機能以外の影響も受けやすいー
尿素窒素は、タンパク質が利用された後にできる老廃物です。
腎機能が低下するとろ過しきれずに血液中に溜まり、血液中の尿素窒素が増えます。
血清クレアチニン(Cr)
クレアチニンは筋肉に含まれているタンパク質の老廃物です。
腎臓の機能が低下すると尿中に排泄される量が減り、血液中にクレアチニンが溜まります。
腎臓の機能の低下とともに、血清クレアチニンの値は高くなってきます。

〇重症化予防
腎臓にある糸球体は、40歳代ごろから少しずつ自然に壊れて減少していきます。
CKDが進行し、糸球体の数が著しく減少すると、透析などが必要になります。
そのため、糸球体が壊れるのを抑える、または減少する速度を遅らせることが重要です。
大切なのが、「食事」「運動」で、厳密に管理し、継続することが欠かせません。
・食事
食事では、塩分とたんぱく質を控えることが重要です。
ただし、たんぱく質の摂取量を制限し過ぎると、
低栄養になるため必要なエネルギーはしっかり確保することが大切です。
・運動
CKDが重症化して透析を受ける人の約4割は、糖尿病性腎症が原因だとされています。
適切な運動は、CKDとかかわりが深く、糖尿病や肥満に対する効果が期待できます。
有酸素運動を行うと、腎臓から出る血管を拡げ、糸球体の血流を促進します。

〇漢方治療
西洋医学の治療目標は、腎機能低下の進行を抑え、
現在の腎臓の機能をなるべく維持し長持ちさせることです。
それはその通りですが、私達はできれば少しでも改善することを目標としています。

慢性腎臓病では、密集している末梢血管が硬くなったり、詰まったり、傷ついたりしている。
この末梢血管を修復し血流を改善することが重要です。
漢方では体質や今ある症状、検査値によって合わせて、田七サポニン粒と併用します。
詳しくはお問合せフォームからご質問下さい。


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