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喘息,気管支喘息(せき、ぜんそく),小児喘息などの
原因、症状、治療、食事療法、そして漢方治療について述べます。
○気管支喘息とは
気管支喘息は気道がアレルギーなどで過敏になり、何らかの刺激による腫れや痰によって
気道が狭くなり呼吸が苦しくなる慢性の病気です。
気管支喘息は小児喘息だけではなく最近は成人にも少なくなく、
必ずしもアレルギー体質の人だけがかかるとは限りません。
○気管支喘息の症状
急に息苦しくなり「ヒューヒュー、ゼーゼー」といった音(喘鳴)がでる発作をおこします。
また慢性的な咳、痰だけの人もいます。
夜間から朝方の時間帯に悪くなる人が多いのも特徴です。
喘息の症状は、1)頑固な咳、2)喘鳴(ぜんめい)、および、3)呼吸困難などです。
○気管支喘息の治療
症状を抑えるためには、テオフィリン製剤やベータ刺激薬などの気管支拡張薬、抗アレルギー薬、
吸入ステロイド薬、内服ステロイド薬などがあります。
私は、気管支喘息を本当に治すためには、漢方治療が最も優れていると思います。
○気管支喘息の検査
ピークフローはピークフローメーターという簡単な器具を使って
息をどれだけ勢いよく吐けるかを測定します。この値は喘息の重症度とよく相関します。
○気管支喘息の重症度判定
今まで効いていた気管支拡張剤を2−3回(1回あたり2吸入として)5-10分間隔で
吸入しても効かなくなった時には、すぐ病院へ行ったほうが安全です。
効かないエロゾル吸入を連続して続けるのは突然死の原因ともなりますし、危険です。
喘息死の一部は、交感神経刺激剤やテオフィリン製剤の過剰投与が原因です。
○気管支喘息の理学所見による重症度判定
(1)脈拍120〜130/分以上
(2)呼吸数 25/分 以上
(3)起座呼吸(横になっていられず、起きあがって息をすること)
(4)チアノーゼ(爪床、口唇が青紫色になること)
(5)意識混濁
(4)、(5)があった場合、喘息死の危険があり、人工呼吸を含む緊急処置の準備が直ちに必要です。
(1)〜(3)があった場合は重積発作と診断し、ステロイド投与を開始します。
重症の気管支喘息治療にステロイド(副腎皮質ホルモン)薬は欠かせない薬です。
しかし、ステロイド薬には重大な副作用があるので
他の薬ではコントロールされない時にはじめて使用される薬と考えてよいでしょう。
○「喘息発作時」の家庭での手当て
まず、発作がどの程度のものか判定します。息苦しそうな様子はあっても、会話が出来て、
布団に横になっていられる様なら軽い発作(小発作)と考えてよいでしょう。
腹式呼吸をするように、呼吸は深く、ゆっくりするようにさせて下さい。
温かい飲み物を少し多めに飲ませます。咳き込んで、もどしても心配は要りません。
吐く時に自律神経系が刺激される結果、気管支が拡張して喘息発作の症状が軽くなることがあります。
部屋の中のホコリやダニが原因の場合には、部屋の空気を入れ替えると楽になることも有ります。
発作が始まると子どもも親も不安になりますが
不安感は発作をさらに悪化させますから、両親がゆったり構えることも大切です。
喘息は、私にとって思い入れの深い病気で
幾人もの人達や、小児ぜんそく の子供さん達の顔が浮かびます。
20年以上も昔の話ですが、私が漢方薬専門の相談薬局を開局して、
一番最初の慢性病治療相談が小児喘息の子供さんでした。
子供さんのお母さんに1ヶ月分を下さいと言われたのですが、
当然相応の確信も経験も少ないものですから、
10日分だけお出しすることにしました。
10日後に結果を聞くまでのハラハラどきどきの感は、今でも忘れられません。
まぐれあたりだったのでしょう。
数年来、毎日あった喘息の症状が2日目にはピタッと止まりました。
その後2年間体質改善の漢方薬も服用していただき、
喘息は完治としました。
それから同じように良くなる喘息の人はいたものの、
同じ処方の漢方薬治療ですべての喘息の人が良くなるのではなく、
症状から病態を推測して、病態に合わせて処方を組み立てることの
重要性がほんの1〜2年で骨身にしみました。
でも苦労のかいあって、
今ではほとんどの気管支喘息の人達に喜ばれています。
私の甥っ子もひどい小児喘息で、喘息発作の時の状態が
ヒィーヒィー、ヒューヒューと音をたてて、苦しそうで本当にかわいそうでした。
漢方薬を服用し、すぐに喘息の治療効果は見えました。
完全に喘息発作がでなくなるまでほぼ6ヶ月。
そして約2年服用して喘息は完治としました。
今ではその甥っ子も
大学サッカーではキャプテンのキーパーとして活躍し
今では社会人として頑張っています。 |
今では、ほとんどの喘息の人は、大丈夫になっていますよ。
そのような頃、縁とはありがたいもので、
京都の著名な漢方医の教えを受けることができました。
1〜2ヶ月に一度のペースで丸3年ほど京都に通ったでしょうか、
漢方の古典から現代医学の病態や病理、生薬の薬物学まで
学ばせていただきました。
(その後、生涯の師といえる山本巌先生との出会いもありました。)
当時先生の診療所では、
300例ほどの気管支喘息の人の完治例がありました。
目からウロコとはこのことです。というのも
気管支喘息という同じ病名でも、漢方医学の目からみつめると
気管支喘息の病態は百人百様なのです。
ですから同じ気管支喘息でも
様々な病態に漢方薬を合わせていかねばなりません。
以下はずいぶん後に聞いた話です。
当時の先生が京都大学医学部を卒業して、
西洋医学を駆使するバリバリの青年医師だったころ、
長男が生まれて間もなく喘息になり
様々な西洋医薬を使っても一向によくなりませんでした。
親として喘息の呼吸困難に苦しむ子を見るのはとても苦しいものです。
ましてや、医師ですから悩むのは当然でしょう。
そして喘息治療の活路を漢方医学に求めて、懸命に研究されました。
そのかいあって、小児喘息で弱かった長男は
見事 喘息を克服して丈夫な成人になりました。
そしてこの漢方の喘息治療が、先生が生涯を漢方医学にささげ、
漢方の専門医になった理由の1つだそうです。
小児喘息の原因は、小児の免疫がまだ未発達なのと
小児のケイレンしやすい特質にあるとされています。
そこからアレルギー反応による気管支の浮腫とケイレンが生じ
ぜんそく発作を起こすと考えます。
気管支喘息は、四日市喘息のような公害空気汚染のこともありますから
時には外因性と言えることもありますが、
多くはやはり体質に関係する内因的な病気です。
1)気管支平滑筋がケイレン収縮して、気管支の内腔が細くなり、
空気が通りにくくなり、肺の酸素不足で呼吸困難を起こす。
⇒ ヒィーヒィー、ヒューヒュー
2)気管支粘膜の浮腫や粘い痰の分泌によって、気管支の内腔が狭くなり、
息をするたびに苦しく、呼吸困難を起こし、音をたてる。
⇒ ゼイゼイ、ゴロゴロ
3) 長い経過をたどった喘息の場合、結合組織の増殖や線維化によって、
気管支が分厚くなり、弾力性が低下し呼吸が苦しくなる。
(気管支の内腔も狭くなります。)
免疫学から喘息をみますと、T型アレルギーであり、
長い経過によって、W型アレルギーのタイプにもなります。
抗原抗体反応の過剰により免疫グロブリンE(IgE)抗体が増えます。
そのIgE抗体が肥満細胞に結合し、抗原抗体反応を起こすことにより
ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出されます。
これらの物質によって、気管支平滑筋が収縮しますし、
血管の透過性亢進によって水分が漏出して気管支の内腔を狭くします。
そして、喘息発作になるわけです。
さて体質改善とは便利な言葉で、よく使われますが、
問題は体質とはどのようなもので、どうなれば改善か、、、ということでしょう。
みなさんにも思い当たることはないでしょうか。
たとえば、多量の水分またはビールを2リットル飲んでも
よく尿に出る人とほとんどトイレに行かない人もいますよね。
飲んだ水分はどこに行ったのでしょうか。
漢方ではこのように水はけの悪い体質を水毒体質といいます。
体内の余分な水が気管支の粘膜や肺にたまり
気管支の内腔がせまくなると喘息発作につながると考えます。
発作が楽になるのと前後して
たくさんの小便が出た経験をもつ人も多いと思います。
漢方で水分代謝に関係するのは「脾」と「腎」であると考えます。
漢方でいう脾や腎は
現代医学の脾臓や腎臓とは異なります。
脾は胃とともに消化器系の機能、
腎は泌尿生殖器系の機能のことを示します。
そこのところを改善し、体内の余分な水の偏在を正します。
ただし発作のあるときは
気管支の病変をすばやく改善する速効性の漢方薬が必要です。
気管支のケイレンや収縮、痰、炎症、水、または寒の状態に対応します。
発作のときは気管支の病変ですから、私は、効果が遅い脾や腎の薬は使いません。
その他精神的要素が強い場合や、体質虚弱で胃腸の弱すぎる場合など
細やかに配慮された漢方処方が用意されています。
風邪になりやすく、そのたびに喘息発作が出る場合は、
風邪になりにくい体質に改善します。
喘息の原因体質が脾と肺、腎とすれば、これを弱めない食養生が大切です。
腎の働きを妨げる果物、甘いもの、
そして身体を冷やす食べ物は摂らないことが大切です。
果物はビタミンが豊富というイメージが強いようですが、
強い陰性食なのでよくありません。
あまり厳格な食養生はしたくないし、できないという人も多いです。
そんな人でも「甘いもの、冷やすもの、果物」だけは少なめにしてください。
症状のある時期の漢方薬
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◇麻杏甘石湯
◇小青竜湯
◇半夏厚朴湯
◇麦門冬湯
◇苓甘姜味辛夏仁湯
◇桔梗石膏
◇越婢加朮湯 |
一般に「漢方の効果はゆっくりで時間がかかる」といわれますが、
私には何故そう言われるのか、よくわかりません。
個人差はありますが、その効果は早くてほぼ20分で体感できます。
効果がゆっくりの場合でも2か月もかかるということはまずありません。
はとんどは1ヶ月までには効果を感じていただいています。
効果は早いのですが、完全治癒までには時間が必要なのはいうまでもありません。
体質改善の漢方薬
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◇柴朴湯
◇六君子湯
◇柴胡桂枝湯
◇桂枝加芍薬湯
◇桂枝茯苓丸
◇桃核承気湯
◇補中益気湯 |
全く喘息の発作が出なくなってから、
「どのくらい服用を続ければ完治するか」という質問は多いのですが、
よくわかりません。1年で完治する人もいれば、3年服用した人もいます。
まぁ、1〜2年くらい。と言えるかも知れません。
漢方薬は病院の薬と併用しても構いません。
良くなっているのを確認してから病院の薬を減らしていけばよいです。
漢方薬は、エキス顆粒もありますが、症状の重い場合は
せんじ薬をおすすめすることが多いです。
今、喘息でお困りの方には 心から漢方薬をおすすめします。
まずは1ヶ月飲んでみてはいかがですか。 効果は早いですよ。
詳しくはお問合せフォームからご質問下さい。
○気管支喘息の予防法
気管支喘息の原因物質を除くことが大切です。
クッション、ぬいぐるみ以外にも絨毯やカーペットはダニやほこりの原因となります。
できればフローリングがよいでしょう。とくに畳の上にじゅうたんを敷くのは禁物です。
室内塵やダニを少なくする方法で簡単なのは、布団を掃除機で丁寧に吸い取る方法です。
ダニが増えないように特殊加工綿使用の布団、発泡スチロール使用の布団、
丸洗いしやすいように工夫された布団などが市販されています。
また、布団からホコリが外に出ないように目の詰んだ布団カバーを使用する方法もあります。
室内塵を防ぐことを考えると、和室に布団よりもベッドの方が良いと思われます。
掃除機は吸引したホコリを室内に撒き散らかさないように
目の詰んだフィルターを取り付けるか、掃除機の排気口を室外に向けて使用します。
寝る直前に布団を敷くと、布団のホコリが部屋中にばらまかれて、寝た後に咳が出たり、
喘息発作が起こることになります。布団は早めに敷いて、窓を開けて部屋の空気を入れ替えましょう。
その他、激しい運動や疲労、季節の変わり目、気候の変化などでも発作がおこりやすくなります。
発作の多い季節としては台風が近づくときや秋が多く、春や梅雨の時期にも多くみられます。
寝不足やストレス、冷たいもの甘い物、甘い果物等も症状を強くする要因となることがあります。
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